犬も歩けば恋がはじまる
案内人:朱音(大人の恋愛小説の棚)
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ことわざを下敷きにしたタイトルだけれど、私はこの「犬も歩けば」の部分に、ちょっと笑ってしまった。意気込んで探しに行ったわけじゃない。ただ歩いていただけ。そういう、力の入っていない始まり方がそのまま作品の体温になっている気がする。
すれ違い・幼なじみの棚に並ぶ女性向け単行本。劇的な出来事で関係が動くより、ふとした視線や、言いそびれて飲み込んだ一言が静かに積み重なっていくタイプだと思う。気づいたときにはもう好きだった——その「いつの間に」の感覚を、ていねいに拾う作りだろうと読める。派手な恋ほど早く冷めて、こういう歩いていて当たった恋ほど後を引く。個人的にはそちら側の人間なので、こういう距離の詰め方には安心して身を預けられる。
向いている人:穏やかな日常の中で育つ恋や、じれったいすれ違いを、急がずゆっくり味わいたい人。
少し注意:刺激の強い展開や、最初から燃え上がる勢いを求めると、物足りなく映るかもしれない。
二人がどんなふうに出会うのかは、公式の試し読みで。ここでは設定の輪郭だけ置いておきます。
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