虎に甘噛み【極】
案内人:真子(少女・青春恋愛の棚)
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タイトルを声に出した瞬間、関係の温度がもう手のひらに乗ってきた。「虎」と「甘噛み」、この二語の組み合わせだけで、強さと甘えがせめぎ合う一冊なのだと察しがつく。【極】の表記からして、その攻防はじっくり描き込まれているのだろう。
虎、と呼ばれる側はおそらく牙を隠さないタイプ。気性が荒く、力で間合いを詰めてくる。その相手に対して「甘噛み」をするという発想が、わたしには妙に刺さった。本気で噛み返すのでも、震えて引き下がるのでもない。じゃれるふりをして、ほんの少しだけ歯を立てる――その手つきには、対等になろうとする側のしたたかさと、それでも隠しきれない愛おしさが同居している。恋愛タグが立っているから、力関係のスリルだけで終わらず、ちゃんと情が通っていく筋なのだと設定からは期待できる。怖い相手に怯まず、そっと挑発できる側のキャラクターに、わたしはどうしても惹かれてしまう。
向いているのは、気の強い攻めと、それに臆さず向き合う受けの押し引きが好きな人。スリルと甘さ、その両方を一冊で味わいたい人にも合うと思う。少し注意したいのは、「虎」と呼ばれる荒っぽさが大前提だということ。終始やわらかい関係を求めると、温度差にたじろぐかもしれない。
その甘噛みに、相手がどんな顔をするのか。手加減の按配は、ぜひ自分の目で。
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