恋い恋う氷菓【極】
案内人:真子(少女・青春恋愛の棚)
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「恋い恋う氷菓」。ひらがなで重ねられた「こいこう」の音が、口の中でゆっくり溶けていくみたいで、しばらく題名から目が離せなかった。冷たくて儚い氷菓と、熱を持った恋情。相容れないはずの二つの温度を、一つのタイトルに同居させているところに、この作品の繊細さが透けて見える。
恋愛と銘打たれ、すれ違い・幼なじみの棚に置かれているのだから、ここは情緒を一滴ずつすくっていくような一冊なのだろう。氷菓は、置いておけば溶けて形を失う。だからこそ「今この瞬間に伝えなければ」という切実さが生まれる——近くにいる相手への想いを、消えてしまう前に言葉にできるのか。その焦れと甘さが、静かに胸に積もっていく予感がある。【極】の冠からは、シリーズの中でも特に念入りに描き込まれた一編、という気配を感じ取った。
向いている人:詩的な雰囲気や叙情的なタイトルに惹かれる人。幼なじみの繊細なすれ違いを、時間をかけて味わいたい人。
少し注意:静けさが主体だとすれば、テンポよく進む展開を好む人には、もどかしく感じられるかもしれない。
溶けきってしまう前に、二人がどんな言葉を選ぶのか。その一言を、本編で確かめてほしい。
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