Kの支配者 ―奥田枠短編集―【うす消し特装版】
案内人:凪(すれ違い・幼なじみの棚)
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奥田枠さんの短編集。一冊を貫く長い物語に身を委ねるというより、いくつもの関係の断片を渡り歩く読み心地になる本だと思う。
短編集の良さは、一作ごとに設定も二人の距離も組み替わるところにある。「Kの支配者」というタイトルから察するに、力関係のある二人を、いろんな角度や状況で見せていく構成なのだろう。同じ作家の手つきで描かれる支配と従属が、編が変わるたびに少しずつ違う表情を見せてくれる——そういう楽しみ方ができそうだ。作家買い、あるいは絵柄に惹かれて手に取る入口としても向いている。
向くのは、短い尺で多彩な関係性を味わいたい人、ひとりの作家の世界観をまとめて浴びたい人。逆に、一本の長編としての起伏やじっくりした感情の積み上げを求めると、短編集ならではの軽やかさが、やや物足りなく映るかもしれない。
各編がどれくらい踏み込んでくるかは、試し読みで好みの一編を探してみてほしい。
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