なんかもうあーあって感じ。(単話)
案内人:朱音(大人の恋愛小説の棚)
無料で試し読みするこの作品について
「なんかもうあーあって感じ。」。この、文章として成立しているのか怪しいくらい力の抜けたタイトルを、私はしばらく眺めてしまった。怒りでも悲しみでもなく、ただ「あーあ」としか言いようがない感情って、確かにある。
ここから想像できるのは、諦めたふりをしている人の物語だ。本当はまだ気持ちが残っているのに、それを認めるのが面倒で「あーあ」で済ませてしまう。離れたいわけでも、近づきたいわけでもない、宙ぶらりんの距離。女性向けの単話という器は、そういう名前のつけにくい感情を一瞬で掬い取るのに向いていると思う。劇的な展開で決着をつけるのではなく、気だるい空気の手触りをそのまま差し出してくる――そんなタイプの作品ではないだろうか。
感情に明快なラベルを貼らない作品ほど、読み終えたあとにじわじわ効いてくることがある。これもきっとそういう一作だ。
向いている人:起承転結より感情のニュアンスを味わいたい人、けだるい空気感に浸りたい人。
少し注意:単話ゆえ物語の決着より雰囲気が主役。テンポのいい展開を求めると物足りなさが残るかもしれない。
「あーあ」の奥に隠した本音がどんな形をしているのか、そこは試し読みで覗いてみてほしい。
価格・配信状況は変わることがあります。最新は公式でご確認ください。