体で払って済まない話(単話)
案内人:朱音(大人の恋愛小説の棚)
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「体で払って済まない話」。言い切ってしまうタイトルなのに、末尾の「済まない」がぜんぶ持っていく。本気で申し訳ないのか、それとも開き直りの照れ隠しなのか、その曖昧さが可笑しくて、読む前から笑ってしまった。ギャグ・コメディとして肩肘張らずに楽しめる一編だと思う。
すれ違い・幼なじみの棚にあるのを思うと、もともと遠慮のいらない相手との間で、ちょっとした借りや負い目が妙な方向に清算されていくのだろう。裸エプロンに羞恥、拘束のタグを見ると、「払う」はずの側がどんどん追い詰められて慌てる、あの構図が浮かぶ。深刻になりすぎず、追い込まれた羞恥がそのまま笑いに転がっていくのが、この手の題材を気持ちよく読ませてくれるコツなのだと思う。職業色々のタグもあって、設定の小ネタも効いていそうだ。
向くのは、負い目や恥ずかしさをコメディの燃料として楽しめる人。気安い距離から始まる軽妙な応酬が好きな人にも合う。一方で、ビッチ要素や羞恥・拘束の描写があるので、静かで真っ直ぐな恋愛を求めると温度差を感じるかもしれない。「体で払う」という設定そのものが苦手な人も、無理は禁物。
「済まない」と言い続ける羽目になるのは果たしてどちらか。そこを楽しめそうなら、軽い気持ちで開いてみるのがいい。
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