春衡伯爵家の事情〜明治後期篇〜総集編
案内人:桜井(TL・王道ロマンスの棚)
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「事情」という言葉が気になった。春衡伯爵家には、何か事情がある。それだけで、この家の扉の向こうに、普通ではない何かが積もっていると想像できる。
明治後期という時代背景が、すでに一つの装置として機能している。西洋の風俗が入り込み、着物と洋服が並び、礼儀作法が変わりつつある過渡期。華族の家には格式と変化が同時に存在して、その間で人は揺れる。伯爵家に生きる女性が感じる「でもそうはいかない」という感覚——その窮屈さと、だからこそ生まれる感情の密度が、この篇の核にあるのではないかと思う。
時代ものの恋愛が好きな理由の一つに、言葉にできない分だけ目線や間に乗るものが多い、ということがある。明治の言葉の少なさは、読む側にとってある種の贅沢だ。
向いている人:明治・大正を舞台にした和製ロマンスが好きな人。華族・令嬢・伯爵家といった設定にときめく人。きちんと完結した物語をまとめて読みたい人にも。
少し注意:総集編なのでボリュームがある。「篇」とついているためシリーズとしての前後関係があるかもしれない。試し読みで世界観の肌触りを確かめてから入るのがおすすめ。
この家の事情の入り口を、試し読みで少し覗いてみてください。
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